【情勢】 ・<自決教>による超兵器の使用により、日本列島全域がそれまでの世界から孤立。また、怪物が出現し、混乱のうち日本人口の大部が殺される。 ・物語開始時点では、首都圏に数百から数千人で構成されるコミュニュティが点在している。 ・コミュニティの中でも、東京の南東にある<機械側(暫定)>を母体とするコミュニュティと、西部にある<自決教>を母体とするコミュニュティが特に有力。 ・都心――東京の東側――は<機械側>の領域であり、アカデミーも都心にあった。 ・首都圏の警備システムの大半は<科学者たち>――正確に言えば彼らの保持する人工知能(AGS)――によってコントロールされていたが、人工知能が超能力者たちを不正な変数とみなし、排除にかかる。 【<機械側>】 ・東京の南の離島の要塞が本拠地。  ・孤立しても半年から一年は活動可能な設備をもつ。   ・具体的には水力・風力・地熱発電機構、食料・ガス・その他物資の貯蔵、飲用レベルの海水ろ過装置など。 ・人は不完全な生き物のため神が必要であるとし、人工神(Artificial God System)を開発。AGSにより統制される世界を理想とする。  ・単一の計算機につけられた名称ではなく、要塞のコンピュータを中心とするシステムのことを指す。  ・<機械側>の活動は多岐にわたり、そこで収集した情報を基にもろもろの判断を下す。共産主義、監視・管理社会などある種ディストピア的ではあるが、格差や不正、汚職が存在し得ないことが特徴。   ・たとえば、<機械側>系の商店での売り上げを基にした計画生産、食料の供給限界量に応じた産児制限、有害とみなされた表現物の発禁など。   ・また、不正な変数の排除も行う。超能力者たちはその一例。 ・超兵器の暴走後は、高度な兵器や戦闘機械を主力とし、<自決教>の殲滅、超兵器の破壊を行い、世界を元に戻すことを目的とする。 【<自決教>】 ・人には神が必要であるとする点は<機械側>に同じだが、神を作るのではなく、どこかにいる絶対神を求めた集団。 ・人工神を標榜するAGSを冒涜とし、<機械側>と激しい敵対関係にあった。 ・神の研究の過程で、超兵器を発見する。  ・その正体は、この宇宙という系と他の系を結ぶ扉のようなもので、他の系からエネルギーを奪うことができるというもの。  ・しかし、<機械側>との戦争に備え過度のエネルギーを短時間に得ようとしたため、超兵器が暴走。超兵器という限られた通路でしか繋がっていなかった二つの世界が接触してしまう。  ・また、日本周辺は怪物たちの世界と混じりあってしまい、元の物理法則が通用しない状態。外部から日本へ侵入することも不可能。 ・超兵器の暴走後は、超能力者たちを主力とし、<機械側>の殲滅、AGSの破壊を行い、怪物たちの世界の研究の後に神を見つけだすことを目的とする。 【LOBO、FUNSEE】 ・LOBOは、脳の状態の読み取り/書き換えを目的とした装置。  ・コンピュータの記憶装置を操作するように脳の操作が可能となる。  ・チップ状で、脳に埋め込んで使用する。  ・簡単な処理ならば脳の処理系に割り込むことが可能。   ・例えばリアルタイムに刺激に相当する信号を発生させることにより、仮想の友人を作ったり、視界に地図情報などを重ねて表示する拡張現実などに応用できる。 ・FUNSEEは任意のクオリアを発生させる装置。  ・クオリアに相当する信号ではなく、クオリアそのものを発生させる。  ・つまり、脳のうち主観的体験に関わる部分の処理を肩代わりする。  ・これにより、ありとあらゆる種類の体験が可能となった。  ・ただし、原理的に使用者には現実世界との区別はつかず、混同し現実世界で異常な行動に及ぶものも少なくない。